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ガスクロマトグラフ用検出器の種類について

様々な検出器の種類と特徴についてまとめます。

どれに何を使えば良いでしょう?

関連の問題を以下に示します。

分析に関する概論

令和2,3年,平成31年2月問17, 令和2,元年8月問17

特定化学物質

令和2年8月問6, 令和元年8月問8

有機溶剤

令和2年8月問9

電子捕獲検出器(ECD Electron Capture Detector)

63Niからのβ線により流してある窒素ガスがイオン化され電子が放出される状態(電子がいっぱい)

電気陰性度の高いハロゲン化合物等が試料として流れると電子を捕獲するので電子が減少し、ピークとなり検出

電気陰性度の高い電子親和力の強いものが検出可能→ハロゲン(フッ素F、塩素Cl、臭素Br、ヨウ素I、等)、ニトロ化合物

ガスクロマトグラフの検出器には何があって、特徴は何? | クロマト分析 日々のQ&A – PerkinElmer Japan

水素炎イオン化検出器(FID Flame Ionization Detector)

水素炎によって試料中の炭素を酸化、イオン化してイオンを静電捕集して検出する

炭素さえあれば分析可能

炭素に水素以外が結合していると感度低下

検出器 GC分析の基礎 : 株式会社島津製作所 (shimadzu.co.jp)
検出器 GC分析の基礎 : 株式会社島津製作所 (shimadzu.co.jp)

炎光光度検出器(FPD Flame Photometric Detector)

硫黄(S)、リン(P)、スズ(Sn)の化合物が分析可能

水素炎の中で発光する元素特有の光を干渉フィルターに透過させて検出

干渉フィルターにより特定の波長のみの検出、選択的で定性的にも用いられる

ガスクロマトグラフの検出器には何があって、特徴は何? | クロマト分析 日々のQ&A – PerkinElmer Japan

光イオン化検出器(PID Photo-Ionization Detector)

試料に紫外線を照射してイオン化してイオン電流を検出

芳香族炭化水素の検出が可能(キシレントルエンベンゼン等)

下の図のように、紫外線ランプのエネルギー以下のイオン化エネルギーを持つ物質はイオン化されるので各ランプにより測定可能な物質は変わりますが作業環境測定では9.8eVのランプで芳香族炭化水素の検出が多いのではと思われます。

光イオン化検知器PIDとは|光イオン化検知器PIDとは|技術資料|ガス検知器・安全環境製品|製品情報|電材部品の開発メーカー、篠原電機株式会社 (shinohara-elec.co.jp)

熱伝導度検出器(TCD Thermal Conductivity Detector)

キャリアガス(リファレンス)サンプルを含むキャリアガスの熱伝導度の違いを測定する

フィラメントに直流電圧をかけて熱し、ガスが通った時の温度変化、抵抗値の変化として検出する

無機ガスの分析も可能

ガスクロマトグラフの検出器には何があって、特徴は何? | クロマト分析 日々のQ&A – PerkinElmer Japan

質量分析器(MS Mass Spectrometry)

試料をイオン化して電場または磁場により質量の違いで分離して検出するもの(下図参照)

イオン化されにくい化合物の分析には適さない

質量分析法(MS)で分子量を計算するマススペクトルの読み方や原理 | Hatsudy:数学・科学

下図のようにイオン化の仕方によりスペクトルが異なるから分子構造の情報を得られる

質量分析法(MS)で分子量を計算するマススペクトルの読み方や原理 | Hatsudy:数学・科学

アルカリ熱イオン化検出器

(FTD Flame Thermionic Detector)

= 窒素リン検出器(NPD Nitrogen Phosphorus Detector)

①アルカリ金属であるルビジウムが水素炎で加熱されると表面にルビジウムラジカルが発生

②窒素やリン化合物がラジカルと反応してイオン化し捕集され電流変化を検知

窒素(N)、リン(P)化合物のみ検出可能定性的な性能もある

リン化合物はFPDの方が選択性が高いのでほぼ窒素のみに利用

ガスクロマトグラフの検出器には何があって、特徴は何? | クロマト分析 日々のQ&A – PerkinElmer Japan

以上、参考になれば幸いです。

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各放射線の特徴について:α線、β線の飛程の求め方

α線とβ線の飛程の求め方についてまとめますが、通常使用される細かい式と粗い式との差についても検討してみます。

令和元年、2年8月問5(同じ問題)

選択肢1

90Srの壊変核種である90Yからのβ線の空気中における最大飛程は, 5mを超える.」

選択肢4

「α粒子は人体組織中で数十μm程度の飛程を持つが, この距離で全エネルギーを失うことから比電離は大きい.」

これらについて両方とも正しい。

ここではまず、α線とβ線の飛程を求めます。

α線は以下の式で求めます。

エネルギーの範囲は4 ~ 7 MeV において用いられます。

(アイソトープ手帳第12版 p5参照)

荷電粒子の飛程まとめ – 放射線取扱主任者試験対策(物理化学生物)ブログ (hatenablog.com)より引用

荷電粒子の飛程まとめ – 放射線取扱主任者試験対策(物理化学生物)ブログ (hatenablog.com)より引用

これを試験では関数電卓を使わずに一般の電卓で求めることは難しいので、この問題ではおそらく感覚としてα粒子の飛程を覚えていることが要求されていると思われます。

(問題が変わっていないことから過去問を解いているうちに自然に覚えてしまうということもありそうです。)

ここでは概算であればR=0.5E(β線の遮蔽のための粗い飛程を見積もる式と同様の考え方(荷電粒子と物質の相互作用 – 放射線取扱主任者試験に合格しよう! (hatenablog.com))でも良いのではないかと考え、教科書通りの式と比較します。

まず、普通の式から算出します。

α線のエネルギーは例えば単位としてはMeVなので、ここでは

E = 5MeVとして計算します(しきい値の関係からか理由は分かりませんがα線のエネルギーは3~7MeVが多いようです)。

①式から空気中での飛程は、

R = 0.338 × 53/2 = 3.779 cm

これを②式においてR0として

人体の密度は水とあまり変わらないですが、ここではwikipediaから参考にして、ρ = 0.985 g / cm3として計算します。

また、同様に空気の密度を ρ0 = 1.293 × 10-3 g cm-3 とします。

さらに空気と水の質量数について、

空気は 窒素N : 酸素O = 4 : 1 として平均を求めるとその質量数は

A0 = 14 × 4/5 + 16 × 1/5 = 14.4

水H20は 水素H : 酸素O = 2 : 1 となるので

A = 1 × 2/3 + 16 × 1/3 = 6

参考:密度の比較 – Wikipedia

以上の数値を代入して

R=ρ0 / ρ × √ (A / A0 ) × R0

= 1.293 × 10-3 g cm-3 / 0.985 g / cm3 × √ (6 / 14.4)

× 3.779 cm

= 3.20 × 10-3 cm = 3.20 × 10-5 m = 32.0 μm

このように、選択肢4の数十μmと合っていることが分かります。

試験や実務、暗算でだいたいの間隔を掴むための概算であれば計算を簡単にすることができます。

先述の通りα線のエネルギーは3 ~ 7 MeV 程度ですがもしこの値を忘れていたとしてもMeVオーダーだと覚えていれば1MeVとして、先述のR=0.5Eを用いて、

R = 0.5 × 1 = 0.5 cm

これを②式においてR0として, 水の密度はρ = 1、空気の密度は水のだいたい1/1000としてρ0 = 1× 10-3 g cm-3、さらに質量数は空気は窒素のみと考えてA0 =14, 水はA=10とした場合に√ (A / A0 )=1という粗い近似で計算すると

R=ρ0 / ρ × √ (A / A0 ) × R0

= 1 × 10-3 g cm-3 / 1 g / cm3 × 1 × 0.5 cm

= 0.5 × 10-3 cm = 5 × 10-6 m = 5 μm

よって、オーダーで見積りたいときにはかなりざっくりした乱暴な近似をして計算を簡単にするのが時間短縮になって良いのではと思います。

次に、β線の飛程について以下の式の通りとなります。

β線の飛程について – 放射線取扱主任者試験対策(物理化学生物)ブログ (hatenablog.com)

計算すると、

R = 0.542 × E2 – 0.133

= 0.542 × 2.28 – 0.133

= 1.10 (g cm-2 )

空気の密度で除すると、

R = 1.10 g cm-2 / 1.293 × 10-3 g cm-3

= 853 cm = 8.53 m

よって選択肢1の5mを超えるが確認できました。

先述の通り、遮蔽計算等に粗く見積もる場合はR=0.5Eも用いられていることからで計算してみます。

R = 0.5 × E

= 0.5 × 2.28

= 1.14 (g cm-2 )

空気の密度で除すると、

R = 1.14 g cm-2 / 1 × 10-3 g cm-3

= 1140 cm = 11.4 m

オーダーでの確認はこちらでも問題なさそうです。

ところで、先ほどから用いているR=0.5Eと厳密な式はどのくらい離れているのかについて確認してみます。

α線は4~7 MeV、β線は0.05 ~ 10 MeVのエネルギー範囲で0.05 MeVごとにプロットし折れ線グラフとしました。

以上のようになりましたが試験や遮蔽計算等でどれだけの精度を求めるかによって式を使い分けると良さそうです。

興味があれば自分でグラフを作っても面白いかと思います。

以上、参考になれば幸いです。

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ガスクロマトグラフの各問題の解き方、覚え方について

ガスクロマトグラフとは?装置の仕組みと分析可能な化合物一覧 | 露点計・酸素濃度計のミッシェルジャパン株式会社 (michell-japan.co.jp)より引用

全体を理解して解くのは難しいので解き方、考え方を列挙していきます。学術的には正しくないこともあるかと思いますが試験攻略が目的ということでご容赦願います

また、ガスクロマトグラフの概要、原理や装置の構成等はまとめた他のサイトがいくつもあると思いますのでそちらを参考にしてください。本ブログでは他のサイトでざっくり原理や構成について知った上で試験問題にどう適用するかの橋渡しとなればと思います。

まず、キャピラリーカラムの理論段数について(令和2年8月問12, 平成31年2月問18)

分離について (tokyo-densan.co.jp)より抜粋

→ここで理論段数(n)とは固定相と移動相との間で分離を行う装置の性能を表していて、簡単に言うと分液漏斗による分離を何回やるかに対応するというイメージです。

この①分液漏斗のイメージと②管のイメージの両方を使い分ければ簡単に考えられます。

(理科等で分液漏斗を使ってない人にはわかりずらいかもしれませんが長いキャピラリーの中で連続的に何回も分離操作が行われているのがクロマトグラフだと考えてもらえればと思います。)

分液漏斗のイメージで考える選択肢↓

分液漏斗 | transblogより引用、分液漏斗のイメージ

測定対象物質ごとに異なる

分液漏斗でどの物質を分離するかで分配比は変わることをイメージします。

キャリアーガス流量により異なる

分液漏斗に使用する溶媒(ガス流量)が多いほど分離が良くなる=理論段数が大きくなるということです。

固定相の種類により異なる

→分液漏斗で使用する有機溶媒(固定相)を変えると分配比は変わります。

カラム温度により異なる

→分液漏斗のイメージで、分離の際に温度が変化すると有機相と水相(移動相と固定相)の溶解度がそれぞれ変化する→分配比が変わるイメージです。

カラム長が長いほど大きくなる

長い分だけ分液漏斗の分離操作の回数が増えるイメージです。

②管のイメージで考える選択肢↓

ガスクロマトグラフのカラムって何? | クロマト分析 日々のQ&A – PerkinElmer Japanより引用

・カラムの膜厚が大きいほど小さくなる

膜厚が大きいと脱着に時間を要するので

カラム内径が小さいほど大きくなる

→内径が小さい方が内壁に吸着されやすくなるので

移動相の流速に依存する

→速すぎると内壁に吸着する間もなく流れてしまうイメージです。

続いて、カラムの長さを2倍にしたときピークの形状カラム性能(カラム特性)はどうなるか?(令和3年2月問18、令和2年2月問18)

ピーク面積変化しない

→物質量に関係するものなので変化しない

理論段数2倍になる

理論段相当高さ変化しない

→ 理論段相当高さH = カラムの長さL / 理論段数n であり、

Lを2倍にするとnも2倍になる

よってH(理論段相当高さ)は変化しない

分離について (tokyo-densan.co.jp)より抜粋

保持時間2倍になる

→保持時間tR試料をカラムに注入してピークが現れるまでの時間

ピーク幅√2倍になる

→ ピーク幅Wとして、n = (4 tR / W )2 の関係があるのでnもtRも2倍にした時、上記の変形した式

W = 4 tR / √n に代入して W’ = 4 × 2 tR / √(2n)

= 4√2 tR / √n = √2 W

上記のように導出するのは難しいと思いますので

試験では2倍か、変化しないのどちらか直感で分かるものでないなら√2倍になりそうと考えれば良いかも

分離度√2倍になる

分離について (tokyo-densan.co.jp)より抜粋

→分離度Rは次の式で表される

R = 2 ( tR1 – tR2 ) / ( W1 + W2 )

ここでtR1 , tR2 はそれぞれピーク1, 2の保持時間、W1 , W2 はそれぞれピーク1とピーク2の幅を表す

前述から

前述からLを2倍にするとtR1 , tR2 は2倍になり、

W1 , W2 は√2倍になるので、

Lが2倍になった時の分離度R’は

R’ = 2 ( 2 tR1 – 2 tR2 ) / ( √2 W1 +√ 2 W2 )

= 2 × 2 ( tR1 – tR2 ) / √2 ( W1 + W2 )

= 2√2 ( tR1 – tR2 ) / ( W1 + W2 )

= √2 R

となり分離度も√2倍になります。

先ほどと同じく複雑なのは多分√2倍で考えても良さそうです。

最後に、理論段相当高さHを表す式(Van Deemterの式)について(令和元年8月問18)

分離について (tokyo-densan.co.jp)より抜粋

H = A + B / v + C v

ここで各定数は次のこと

A : 渦流拡散(多流路拡散)に起因する定数

B : 成分分子が進行方向に拡散移動(分子拡散)することに起因する定数

C : 移動相と固定相間の平衡の遅れ(非平衡拡散)に起因する定数

v : 移動相の平均線速度

選択肢には各項でA, B, Cにvが乗じられているか、除されているか否かを選択することができればこの手の問題は解けるからこれを整理します。

前述から理論段相当高さはカラムの長さを理論段数で除した値なので小さいほど分離性能が良いです。

つまり乗じられて大きくなる分離性能が悪くなります。

除されて小さくなる分離性能が良くなります。

分離について (tokyo-densan.co.jp)より抜粋

Aについては流路が多数あることによりピークが広がる

ということなので線速度vには関係ありません(A)。

Bについては進行方向への分子拡散であるため

線速度vが大きいほど大きくなり

分離が悪くなる=Hが大きくなるのでBにvが乗じられます(Bv)。

Cについては移動相と固定相の間の移動に関するものなので、

線速度vが大きいと相互作用せずに通過してしまう

=分離が悪くなる=Hが大きくなることから

Cはvで除されます(C/v)。

長々となりましたが以上、参考になれば幸いです。

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フレーム原子吸光分光法に用いる中空陰極ランプ(ホロカソードランプ)について

ホロカソードランプ
中空陰極ランプ=ホロカソードランプ=ホローカソードランプ(ホロカソードランプ – ケイエルブイ (klv.co.jp)より引用)

令和3年2月 問15の選択肢5

分析線の波長が紫外部の場合, 分析線の光源には重水素ランプが用いられる.」

とありますがこれは誤りです。

簡潔に言えば、重水素ランプは紫外領域の発光だが、

線幅が広すぎ

より線幅が狭い中空陰極ランプを使うということです。

紫外・可視吸光光度法においては以下のように光源ランプが使われます。

紫外領域:重水素ランプ

可視~近赤外領域:

タングステンランプ

= ハロゲン※1ランプ

=タングステン・ハロゲンランプ(化学式WX, Xはハロゲンを表す)※2

その他キセノンランプやキセノンフラッシュランプというものもありますが詳細は参考サイト※2にあるので興味のある方は調べて下さい。

しかし、原子吸光分析法では

「原子吸収スペクトルのスペクトル幅が非常に狭い(通常 0.01nm程度)ため,一般的な分光光度計の光源(スペクトル幅 1~2nm )を用いたのでは,原子の吸収度を測定できない。このため,スペクトル幅 0.001nm 程度の狭い光(輝線)が得られる中空陰極ランプが用いられる。」3

以上の通り重水素ランプではなく中空陰極ランプを使うということです。

ここで中空陰極ランプとは?についてまとめておきます。

まず中空陰極ランプとはホロ(ホロー)カソードランプ(hollow cathode lump)とも呼ばれています。

ガラス管の内部に希ガスが充填されていて、内部の中空状の陰極には金属元素が使用されていて、陽極との間に電圧をかけると

希ガスイオン生成→陰極の金属に衝突金属原子が遊離

→金属原子がさらに希ガスイオンと衝突して励起

→励起金属原子が基底状態に戻る際に固有の発光

という流れで発光するランプです。

令和元年8月 問15の選択肢5では、

中空陰極ランプの陰極は, 分析する金属又はその金属を含んだ合金でつくられる.」とあり、これは正しいです。

つまり、中空陰極ランプは測定したい金属元素に応じて同じ金属元素のものを使用するということです。

こうすることで、中空陰極ランプからは測定対象の金属元素が励起状態から基底状態に戻る時の共鳴線が放出されることになり、原子吸光では同じ金属原子が基底状態から励起状態になり放出された光を吸収することで測定が成り立っています。

ただし、バックグラウンドの補正には重水素ランプを使用しますのでこの点は注意して覚えましょう。

以上、参考になれば幸いです。

※1参考

紫外可視分光光度計の基礎(4) 紫外可視分光光度計、ハードウェアの特徴と役割 | 日本分光株式会社 (jasco.co.jp)

※2参考

紫外可視分光光度計の基礎 | アジレント・テクノロジー株式会社 (chem-agilent.com)

※3

生活と無機化学(原子吸光法)|技術情報館「SEKIGIN」|物質の元素分析法の一つである原子吸光分析の原理,種類,装置の構成,光源の種類,スペクトルの補正法 などを紹介より引用

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高圧ガスの容器およびその使用に関して

高圧ガス関連の事項についてまとめます。

頻出の問題ではないため捨て問かもしれませんがなるべくなら取りたいです。

令和元年8月の問7について

選択肢1「液体の二酸化炭素が必要な場合は, サイフォン管付き容器を使用する」とありますが、どんなものかイメージがわかなかったので載せておきます。

左が一般容器(ガスとして使用)、右が液体用のサイフォン管付き容器

二酸化炭素(炭酸ガス・液化炭酸ガス)| 神鋼エアーテック 神戸製鋼Gr. (shinko-airtech.com)より図を引用

液体窒素でもサイフォン管を使用しますのでこれと同じと考えられます。

液化窒素取出装置 クライオジェット・フレキシブルホースセット ジェック東理社
液化窒素取出装置 クライオジェット・フレキシブルホースセット ジェック東理社 デュワー瓶・液体窒素容器 【通販モノタロウ】 (monotaro.com)より引用

選択肢2 「ヘリウム用の減圧弁のねじは, 左ねじである」

ヘリウム可燃性ガス左ねじと覚えておきましょう。

ここで、酸素空気笑気(亜酸化窒素ガス)支燃性なので右ねじであることに注意しましょう。

↓参考サイト

高圧ガスのバルブ、継手形状 – 大東医療ガス Daitoh Medical Gas – 埼玉県越谷市で各種ガス販売 (daitoh-mg.jp)

rikou_anzen.pdf (doshisha.ac.jp)

選択肢3 「アセチレンの配管には, 純度の高い銅管を用いる」とありますがこれは誤りです。

銅アセチリド(CuC2)が生成するのでステンレス製のものを用います。

銅アセチリド爆発性であるので危険だから発生しないようにします。

↓参考サイト

銅アセチリドとは – コトバンク (kotobank.jp)

選択肢4 「酸素の容器の塗色は, 黒色である」について

他の高圧ガスの色も合わせて画像で覚えたいです。

以下のように、

酸素:黒

アセチレン:茶

水素:赤

液化炭酸ガス:緑

液化アンモニアガス:白

液化塩素ガス:黄

その他:ねずみ色

となっています。

危険物タンクローリー3 | スーパーメグ日記 怒りのアフガン (ameblo.jp)
2015.09.09NH3.1.JPG
NH3ボンベにご用心! [ブログ] 川口液化ケミカル株式会社 (klchem.co.jp)
第5868号 塩素ガス工業用ボンベ供給は液化塩素  [ブログ] 川口液化ケミカル株式会社 (klchem.co.jp)

笑気(亜酸化窒素=N2O)ガスはその他のガスでありねずみ色ですが、医療用のボンベではに配管の色に合わせて半分青く塗られているとのことです(参考:京都市立病院 麻酔科ブログ: 酸素ボンベは何色ですか? (kyomasui.blogspot.com))。

京都市立病院 麻酔科ブログ: 酸素ボンベは何色ですか? (kyomasui.blogspot.com)
ソース画像を表示
取扱ガスのご紹介 – 株式会社Kist|医療用ガス・各種医療機器

選択肢5 「容器内のガスは, 容器内の圧力が大気圧になるまでは使い切らないようにする」については、大気圧になってしまうとボンベ内に大気が流入し不純物となり、再充填して使用するのに洗浄等の手間がかかるからということです。

以下サイトに詳しく載っています。

ガスボンベは空にしない? [ブログ] 川口液化ケミカル株式会社 (klchem.co.jp)

以上、参考になれば幸いです。

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労働安全衛生マネジメントシステム・VDT作業関係のガイドライン等について

過去試験に出題された以下の項目に関する部分について憶えておくべきまたは認識しておくべきと思われる要点を挙げていきます。

・労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針

・VDT(情報機器)における労働衛生管理のためのガイドライン

・労働衛生の三管理

・職場における腰痛予防対策指針

  1. 労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針について

「この指針は、労働安全衛生法の規定に基づき機械、設備、化学物質等による危険又は健康障害を防止するため事業者が講ずべき具体的な措置を定めるものではない。」(Microsoft Word – 【改正後全文】労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針.docx (mhlw.go.jp)第二条原文より抜粋)

→では何なのかというと、第一条から「自主的な安全衛生活動を促進する」(同上サイトより引用)ことが大きな目的となっているということです。

2. VDT(情報機器)における労働衛生管理のためのガイドラインについて

液晶モニター・ディスプレイのイラスト(コンピューター)
パソコンのキーボードを打っているイラスト

各数値を暗記する必要もあるかもしれません。(捨て問にしても良いかも)

ディスプレイ画面上における照度は500ルクス以下

書類上およびキーボードにおける照度は300ルクス以上

→ディスプレイ画面やキーボードの明るさと周辺の明るさとの差を小さくする

・ディスプレイは約40cm以上の視距離が確保できるようにし、画面の上端が目線の高さと同じかやや下になるようにする

3. 労働衛生の三管理について

作業環境管理、作業管理、健康管理のうち外部放射線による実効線量が一定の線量を超えるおそれのある区域を管理区域として設定し、標識によって明示するのは作業管理にあたる

4. 職場における腰痛予防対策指針について

・腰部保護ベルトは全員一律に使用するわけではない

男性労働者が人力のみにより取り扱う重量は体重の約40%以下、女性はさらにその60%(=24%)以下とする

以上、参考になれば幸いです。

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第一評価値、第二評価値、幾何平均値について

高校数学の応用、復習になるかも?

デザイン・サンプリング令和3年2月問20選択肢2について

A測定の第1評価値第2評価値は、ともに幾何平均値より小さな値になることはない

これは正しいのですが、なぜそうなのか理解するために評価値と幾何平均値についてまとめます。

まず定義について

第一評価値

「単位作業場所において考え得るすべての測定点の作業時間における気中有害物質の濃度の実現値のうち、高濃度側から5%に相当する濃度の推定値」(以下サイトから引用しパーセントを漢数字から見やすくするため算用数字に変更)

・作業環境評価基準の適用について(◆昭和63年09月16日基発第605号) (mhlw.go.jp)

第二評価値

「単位作業場所における気中有害物質の算術平均濃度の推定値」(同上サイトより引用)

幾何平均(相乗平均)値

n個の値のとき、各値の総乗のn乗根を取った値(参考:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』幾何平均 – Wikipedia)

以上から、第一評価値は推定値の高濃度側から5%に相当する値であるから

(第一評価値)≧(第二評価値)

となります。

(第二評価値)≧(幾何平均値)

となるのは高校数学の内容である以下の関係と言葉が変わっただけのものであることが分かると思います。

(相加平均)≧(相乗平均)

【3分で分かる】相加相乗平均の証明と大小関係、使い方をわかりやすく | 合格サプリ (goukaku-suppli.com)より引用

こちらについては2変数から多変数への拡張までの解説がありますので以下の参考サイトで復習してみるのも良いかと思います。

相加相乗平均の不等式とそのエレガントな証明 | 高校数学の美しい物語 (manabitimes.jp)

以上から、下の通り導かれます。

(第一評価値)≧(第二評価値)≧(幾何平均値)

選択肢2が正しいことが確認できました。

以上、参考になれば幸いです。

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有害物質の物性について

蒸気機関車の「蒸気」って?

第1種・第2種作業環境測定士試験科目(共通科目)デザイン・サンプリングの令和2年2月試験の問5について

はじめまして、作業環境測定士試験の合格のために難しい部分をなるべく簡単にして合格の補助をすることができればと思いますのでよろしくお願いいたします。

「常温・常圧(25℃, 1気圧)において環境空気中に蒸気の状態で存在する物質」つまり、常温・常圧で蒸気として存在する物質とは

→常温・常圧で個体または液体である物質のこと。

個体・液体には多かれ少なかれ蒸気が同時に存在します。

だから個体または液体の物質を選べば良いです。

問題の最後のただし書きに次のようにあります。

「ここで, ガスとは常温・常圧において気体のものをいい, 蒸気とは常温・常圧において液体又は個体の物質がその蒸気圧に応じて蒸発又は昇華して気体となっているものをいう.」

上記の意味するところは、

・気体(ガス)として存在するものを除く

・個体または液体からの蒸気圧の大きさには関係なく、存在していれば蒸気として考える

こう読み替えれば分かりやすいと思います。

参考までに氷(個体)でも水(液体)と同じく蒸気圧があるということを示した蒸気圧曲線の画像とサイトを下に示します。

水と氷の蒸気圧 – Kyoto U 
Vapor Pressure of Ice and Water (Takagi Ikuji) (kyoto-u.ac.jp)より引用

ここからも氷(個体)の状態でも少ないながらも蒸気として存在することが分かると思います。

以上、参考になれば幸いです。